4技能の育成、今回はリーディング編です。
みなさんはリーディングといったらどのようなイメージをするでしょうか。日本語訳?構文解析?あるいは文献やTimes、新聞などを読むことでしょうか。今回はリーディングに必要な力と、おススメ勉強法を紹介していきたいと思います。
リーディングに必要な力とは?
まず一番基本となるのは、①単語の読み方、②単語の意味認識です。小学生のうちに基本的な単語の読み方と意味を押さえることで、英語がぐっと理解しやすくなります。次いで③単文の意味認識になります。SVOやSVC、時制、前置詞など文法を理解し、意味がわかるようになれば、一定の読解と言えるでしょう。関係代名詞や構文などをとらえることも、難しい文では求められますが、まずはシンプルな文を大量に処理する力を培いたいところです。単文が理解できるようになったら次は、④文章全体としての意味認識です。ここでは行間を読んだり、文章全体の概要をとらえる力が求められてきます。
以上①~④がリーディングに必要な力のエッセンスとなります。それではそれらの力はいかにして身に付けていけばいいのでしょうか。
①単語の読み方
いわゆるフォニックスが基本になります。小学生までにこの力は絶対に押さえておきましょう。penを"p", "e", "n"と理解したり、makeを"m","ei","k"と捉えるなど、こちらは適切な手順でドリルを行うことで、きちんと身に付けていくことができます。
②単語の意味認識
いわゆる単語を覚える作業ですね。こちらはみなさんも中高時代にたくさん行ってきたので、すぐイメージできるかと思います。"company"は「会社」、「連れ、仲間」など、いつも連帯感を持っている人の集まりだとか、"draw"は「描く」や「引く」など、(線やものなど)を引くことなんだなと、単語ごとのイメージがつかめるようになると理想的です。もちろん初めて見る全く未知の単語は一語、一意味で覚えるのが一番理にかなっています。
③単文の意味認識
初めはとにかくSVOやSVCに慣れるよう、シンプルな文をたくさん読むのがおススメです。よく難しい文章を読み込めるように特訓したがる人がいますが、英検2級レベルくらいまでなら難しい構文を読むよりもシンプルな文をたくさん読むほうが絶対的に英語が伸ばせます。難易度高めの難しい構文を100語頑張って読むくらいなら、平易な文を1000語読むほうがはるかに楽ですし、力も伸びます。難解な文をやった方が伸びる気がすると言う人も少なくありませんが、実はあまり効率的ではありません。現在の能力を上げる一番いい方法は、A)自分のレベルよりもほんの少しだけ高いものを行う、あるいはB)自分のレベルよりも少し平易なものをたくさん読むのいずれかです。A)は適切なものを見誤りやすいので注意が必要です。一方、B)は自分で手に取ってみればすぐわかりますし、苦痛度合いが低いのでこちらのやり方をするのは個人的にはとてもおススメです。
④文章全体としての意味認識
③でも述べた通り、とにかく文を大量に読むことが大事になります。いきなり英字新聞を読もうとしてもかなりの確率で挫折してしまうので、まずは無理ないニュースを読むようにしていきましょう。英検2級ほどのレベルの人ならEnglish JournalやCNN English Expressなどがおススメです。またさらに高いレベルを求めらている方はもちろん、CNNニュース、時事通信ニュースの英語版など、いろいろな選択肢が出てくるので興味に応じてご覧になってください。
また、英語のリーディングにおいては大きく、スキャニングとスキミングという2つの力が大事と言われています。スキャニングはピンポイントで単文を見つけ、細かく意味を理解することになります。一方でスキミングは概要をさらりと取る力です。試験などで高得点を取る、問題を解くとなると両方の技術が必要になりますが、漠然と英語のリーディング能力を高めたいときなどは後者のスキミング能力を使い、その読み物が言いたいことを漠然とでいいので概要を捉えてください。「言いたいことはまあなんとなくわかった」程度にとどめ、あまり負担感を感じずに読み続けられるものを続けられるのがいいでしょう。
以上のように、英語を習いだした小~中学生は①~③を意識し、英語の文が読めるようになってきた学生や大人の人たちは④に意識を持って、適切な教材を読み進めていくようにしていってください。リーディングは自分の中にない新たな単語を仕入れる絶好の場です。リーディングは英語力全体のレベルの底上げにはうってつけの技能です。多読をしていくことで、英語のキャパシティーをどんどんと広げていってください。