今回は4技能育成編の4つめ、ライティング編になります。ライティングというのはみなさん、自身の渾身の力で書き上げた作品みたいなもので、知識や技術をフル動員しています。そのため自分で添削するというのはなかなか難しいですし、自学で伸ばすのが実に難しい領域とも言えます。
一方でエッセイライティングの書き方を習得すると、その力はプレゼンテーションや面接、営業など様々な分野に転用もできるため、とても有意義な能力となるでしょう。それではライティング能力というのは何なのかをまずは紐解いていきます。
①単語力
これは至ってシンプルです。フォニックスに始まる"p", "e", "n"と書いて/pen/と読ませたり、appleと書いて/ǽpl/と読ませたりといったところです。小学生や中学生はフォニックスをきちんと学ぶことでこの力の基礎ができあがります。
またつづる力と同様に必要なのが、その単語の適切な使い方を知ることです。例えば"require(必要とする)"という単語を"need"と同じようにとらえて、You require the driver's license to drive a car.(「車を運転するのには運転免許所が必要です。」の意)とはなりません。You are required to have the driver's license. あるいはDriving a car requires you to have the driver's license.となります。単語ごとの使い方を適切に学んでいき、表現の幅を少しずつ広げていってください。
②単文を作成する力
2014年より以前の高校教育ではこの力が大事にされていました。正確にSVを作り、その上で関係代名詞や分詞など様々な文法要素と単語を交えながら一文を作る力です。英語がまだ初級の人がよく作りやすいもので「私の好きなスポーツはサッカーです」を"My like sports is soccer."というのがありますが、これは主語や動詞、あるいは単語の使い方がめちゃくちゃになっているが故にできた文章です。"My favorite sport"がわからなければ"I like~"で済ませるよう、自分の確実に知っている文法事項と単語を使うことが大切になります。ライティングなどでアウトプットをたくさん行い、まずは単文レベルで自分自身の文法理解と適切な表現の幅を確実に広げていきましょう。
③文と文をつなげて文章を作る力
最近ライティング能力として求められているもので、接続詞やtherefore, in conclusion, for example, といったディスコースマーカー使って論理的文章展開をする力になります。エッセイライティングでは序論、本論、結論やトピックセンテンスに対するサポートセンテンスといった形式も大事です。(詳細はいつかこのブログでも扱っていきます。)形式に当てはめ、効果的なディスコースマーカーを使って、誰が見ても思い込みでどうにでも捉えられない書き方が必須になります。
またこの能力は客観性がとても必要になるため、自身で読み返して修正をしていく力も大事になります。文法はもちろん、論理が一貫しているか、文字数稼ぎに一部話がそれたりしていないか、無理な論理飛躍はないかなどに注意し、論理的な文章が書けるようにしていってください。
ライティングは自分のペースで文が組み立てられる分、スピーキングよりもきちんとした英語が作れることが多いです。たまに丁寧なライティングを行い、自身の表現力をブラッシュアップしてスピーキングに転用していってください。きっと今以上のきれいな文法が使いこなせるようになっていきます。また①~③の力を身に付けることで論理的な思考が身につき、日本語であっても実生活で生かせるようになり、一石二鳥の力が養っていけます。
最後に一点、注意事項があります。先にも述べたようにほとんどの場合ライティングは自分の持ちうる最高の力を使って書くため、自分自身で添削するのがとても難しいです。頼れる人や場所を頼って自分自身のライティングを添削してもらうように心がけてください。そういったことを繰り返していくうち、自分でも驚くほどの英語アウトプット能力が身についていることでしょう。