2025年度より英検準2級と2級の間に、「英検準2級プラス」という級が新設され、始まることが正式に発表されました。
英検の公式ホームページ上よりサンプル問題等が出されましたのでチェックしてみてください。
(サンプル問題)https://www.eiken.or.jp/eiken/item/2025rw_sample1.pdf
(リスニング原稿)https://www.eiken.or.jp/eiken/item/2025rw_sample2.pdf

さて今回は英検準2級プラスが始まるにあたってのいくつかの注意事項、サンプル問題の解答、その傾向と対策、テクニックなどを紹介していきたいと思います。

(概要)
レベルは単語や文法的に言うと、英検準2級が高校1年レベル、英検2級が高校卒業レベルと言われているように、準2級プラスは高校2年終了時程度のレベルと言えるでしょう。リスニングの会話量やライティングの文字数などはまさに準2級と2級の中間といったところです。海外経験のない小学生であっても英語を重点的に勉強している人などは十分受かる可能性がある級と言ってもいいでしょう。筆記試験の文法問題やリーディング問題に出てくる単語や熟語の難易度は、従来の英検2級の平易な基本語彙や表現がわかっていればそれほど難しくはありません。
もともとコンセプトが、準2級と2級の大きなギャップを埋めるためという理念で作られているため、準2プラスの難易度は準2級と比べてもそこまで大きくはありません。着実に単語を覚えていきさえすれば、受かりやすい級になっていくかと思います。
一方で完全な新設の級ということを考えると、一手間増えているのが難点とも言えるでしょう。

(受験生への注意事項)
まずくれぐれも注意して欲しい人は、2025年度に①中学3年生、②高校3年生、③小学6年生で受験を控えている人たちになります。
現在英検というのは受験(特に推薦受験)で合否を分ける大きな要因のひとつになっています。例えば2025年の秋に推薦入試を決めたい人などは、通常の英検を受ける場合、2025年第一回の英検(例年、6月上旬頃実施)で受かったもののみが有効となります。つまり、2024年度第3回実施の英検までに2級に受かるだけの手ごたえがつかめない場合、英検2級を早々に諦めてこの準2級プラスを取りに行くという戦略などを視野に入れなくてはいけません。特に、2025年の第1回で英検2級に受かるかの瀬戸際にいる人たちは大きく影響するかもしれないので、深く考えておきたいところです。(ただし裏ワザとして、英検CBTなどで複数回受ける、ダブル受験をするなどもできるはずです。)
上記に該当しない人たちは、順当に3級→準2級→準2級プラス→2級の順で受験をしていくことでしっかりレベルアップしていくのがおススメです。

(英検準2級プラス、サンプル問題の解答)

筆記リスニング
問題解答問題解答問題解答問題解答
1216312162
2317424173
3218132182
4119241194
5320153204
6421263211
7122371223
8323382234
9324492243
102252103254
111264113261
121272122271
131284134283
144294144294
152302151303
312

4.ライティング(英文要約)解答例
It is becoming popular to buy clothes online.
People can save money by comparing the price.
However, they may feel disappointed that the actual products are different from the photos online.
(32語)

5.ライティング(英作文)解答例
(Yes)
I think it's a good idea for people to ask other people to take care of their pets while they travel.
First, they don't have no worries about their pets if the others can take care of them.
Second, their pets don't feel stressed on the trip.
So, their pets can be in the safe environment under the good care.
(60語)

(No)
I don't think it's a good idea for people to ask other people to take care of their pets while they travel.
First, they can enjoy traveling and make good memories with their pets.
Second, the owners understand can their pets best and take good care of them.
So, the pets can feel happy with their owners anytime.
(57語)


(解説と対策)
(大問1)
(1)enlarge 大きくする:too small「小さすぎる」と言っているので、大きくすることに決めたとできるのは2番。
reverse(反対にする)  consume(消費する)  witness(目撃する)
(2)promise 約束:keep her promiseで「約束を守る」
mind(精神、意識)  place(場所)  sight(視力、光景)
(3)yell 怒鳴る、叫ぶ:yell at~ ~に怒鳴る ここでは「サッカーコーチがレフリーに怒鳴る」の意。
knock(扉をたたく)  sneeze(くしゃみをする)  record(録音する)
(4)irritate イライラさせる:the sound of the construction was irritating herで「工事の音が彼女をイラつかせた」となる。
judge(判断する)  detect(突き止める)  exchange(交換する)
(5)maximum 最大:at least 5 pages「少なくとも5ページ」とあるので、the maximum is 10 pages「最大で10ページ」となる。
market(市場)  incident(事件)  instrument(楽器)
(6)impose 課す、強要する:the government is planning to impose a new taxで「政府は新しい税金を課す計画をしている」となる。
twist(ひねる)  civilize(文明化する)  murder(殺人を犯す)
(7)climate 気候:cool, rainyと来ているのでそれに続く名詞を選ぶ。
surface(表面)  excuse(言い訳)  design(デザイン)
(8)narrow  狭い:only wide enough for one car「車一台分だけの広さ」となるため。
balanced(バランスの取れた)  careful(注意深い)  suitable(適切な)
(9)frequency  頻度:後半で、He only visited them once a month, but now he goes every week.「彼は月に1回訪れていたが今は毎週行っている。」とあるので頻度を表す表現となる。
pronunciation(発音)  invention(発明)  rehearsal(リハーサル)
(10)despite  ~にも関わらず:( ) her efforts, she could not win.「彼女の努力( )、勝てなかった」前後の文が逆説の事象を表している。
above(~より上)  outside(~外)  within(~以内)
(11)try on~  ~を試着する:She ( ) a number of coats, but she didn't like any of them.「彼女はたくさんのコートを( )が、どれも気に入らなかった。」のつながりを考える。
show up(現れる)  take on~(~を引き受ける、受け入れる)  give up(あきらめる)
(12)deal  取引、量:a great deal of~で「大量の~」の意。
base(土台、基本)  force(力、強制)  role(役割)
(13)arrange  ~を整える、配置する:( ) their chairs in a circle「円にイスを(  )する」で適切なのは「配置する」になる。
block(さえぎる)  skip(跳ばす)  offer(申し込む)
(14)from  ~から:sick from~ 「~(が原因)で病気になる」
(15) result in~  ~という結果になる:His hard work ( ) a very good score on the test.「彼の一生懸命な取り組みはテストでとてもいい結果に(  )」主語と目的語の因果関係を考える。
look up(調べる、見上げる)  drop by(立ち寄る)  turn off~(~を切る)
(16)capable of~  ~の能力がある:software ( ) speeding up「スピードを上げる( )ソフトウエア」となるので、能力、容量のあるという意味に結び付く。
bitter about~(~に苦々しく思う)  sorry for~(~を済まなく思う)  free from~(~から自由な、~がない)
(17)make sense  理解できる、納得する:You answered all the questions I had.「私の持っていた質問全てに答えた。」とあるので全てがクリアになっていることがわかる。
stand still(じっと立つ)  take care(世話をする)  pay attention(注意を払う)

(大問2)
A.(全文訳)健康と環境の両方に良いので、何年間もの間人々は近所で作られた食べ物を買ってきている。この利点のため、アメリカの一部の老人ホームでは大きな工場で作られた食べ物から家庭料理にへと変えられてきている。彼らはこの変化が同様に( 18 )ということに驚いた。食事は老人ホームで作られるので、彼らは食品にかけるお金の総額を減らすことができたのだった。
農家には食べ物を梱包し、配達するのに大量のお金がかかっている。人々が地元の農家から買う時、農家はその両方にお金をかけなくて済む。( 19 )、農家は製品の値段を下げていく。今や、地元農家がよりお金を稼げる一方で、老人ホームはお金を節約できている。このことはその地域でお金がたまっていくのに一役買っている。それゆえに地元経済もまたより良くなっていく。
FutureCare Cherrywoodは、現在地産の食品を使っているひとつの老人ホームである。食品サービスの管理者は、最も重要な結果のひとつはチェリーウッドに住んでいる人たちが自分たちの食べ物についてどう感じているかなのだと言っている。彼らは食べ物や日常生活により嬉しく思っている。老人ホームはそこにいる人たちが( 20 )させることが人々の気持ちの中でのこの変化も導いたのだと信じている。居住者は今や提供される食べ物を決める手助けをしている。このように、チェリーウッドは地元農家から食べ物を買うことで様々な問題を解決してきているのである。
(18) help economic advantage 経済的な利点を助ける
(19) as a result 結果として
(20) to make their meal plans 食事のプランを作る

B.一緒に住む動物にとって臭いは大事なものである。例えば犬は家族とコミュニケーションをとるために臭いを使う。同様に、人間にとって臭いは重要である。実際、それは私たちが( 21 )するのも助ける。一部の科学者は、家族を知り、グループ内で上手くやっていくやり方を学ぶのに重要なのだという。これはつまり、臭いは過去のことから何かを思い出す手助けとなっているということである。
シカゴに住む大学教授は臭いと記憶、そして恐怖感情について学習するための実験を行った。彼女は痛みが起こっている間、男の人の写真を見せた。( 22 )、彼女は花の匂いを被験者たちにかがせた。すると再度その写真を見たり花のにおいをかいだ時、彼らは怖がるようになった。これはつまり、彼らが臭い、写真、痛みを一つの記憶として覚えていたからなのである。
彼女の実験の前に、教授は臭いが人々の恐怖を減らす手助けになるということは分かっていた。人は何度も怖がるものを見ると、怖がらなくなっていった。実験で彼女は人々を花のにおいがする部屋で寝かせた。寝ている最中、その匂いは夢の中で写真を思い出させた。目を覚ました時、その人たちはその写真をあまり怖がらなくなっていた。教授は( 23 )。彼女は医者が将来人々を助けるのにこの結果を利用してくれたらと願っている。
(21)build relationship with people 人々と関係を築く
(22)at the same time 同時に
(23)not surprised by the results その結果に驚いていない

(大問3)
A.拝啓 ヘンスリー様
私たちの雑誌、Greenzineへの寄稿に興味をもっていただきありがとうございます。ご存じの通りGreenzineのは環境に関するオンライン雑誌の記事を制作しているところです。ボランティアの方々が無料で全て記事を書いてくれているため、私たちの毎月の読者には無料での提供になっています。
環境にご興味があるとおっしゃっていましたね。また寄稿の経験なども欲しているともおっしゃっていたかと思います。地球への愛を持った若いライターの方と一緒にやれるということはとても喜ばしいことです。あなた様に一度書く機会を設定しますので、次の項目で記事を書いもらえたらと願っております。
現在の所、私どもは新しい「グリーン」の製品に関することを書いていただける人を探しています。環境保護になるものでなくてはいけません。このEメールと一緒にこれらの製品リストと登録フォームを送っています。お書きになる製品を1つ選び、登録フォームにて送ってください。その後、その製品の無料サンプルをお送りいたします。記事を書き終えた後で6月25日までに私の方までEメールをお送りいただければ見ておきます。
敬具
ピート・メリック Greenzine編集長
(24)What does Pete Merrick say about Greenzine magazine?(ピートメリックは雑誌Greenzineについて何を述べていますか。)
A. Its writers do not get money for the articles.(ライターは記事に対してお金をもらってはいません。)
(25)Why does Ms. Hensley want to write for Greenzine magazine?(なぜヘンスリーは雑誌Greenzineに書いてみたいと思っているのでしょう。)
A. She wants to get better writing skills.(彼女は作文能力をよくしたいと思っているから。)
(26)Pete Merrick asks Ms. Hensley to(ピートメリックはヘンスリーに___ことを求めている。)
A. pick a product to write about for Greenzine magazine.(雑誌Greenzineに書く製品を選ぶ)

B. 今日、多くのビルが現代的な素材などで作られている。しかしプラスチックなどこれらの素材は空気中に危険な化学物質をいくぶんか放出している。空気が建物内にあるときにその化学物質の量は少し増えくる。その結果その中で仕事をしたり住んでいる人たちは気分が悪くなり始める。これは「シックハウス(シックビルディング)症候群」と呼ばれている。この問題に対する一つの解決策が宇宙を研究している科学者から出てきた。
NASA(アメリカ航空宇宙局)はビル・ウルバートンという名の科学者に宇宙船の内部の空気をきれいに維持するための方法を研究するように求めた。宇宙には空気がないため、宇宙船では外から空気を取り込むことはできない。ウルバートンは宇宙船が化学物質を放出する現代的な素材からできているため、宇宙船内の空気をきれいにしたかったのだ。人々が建物に入ったとき、目が痛み、呼吸が困難になることに気づいていた。ウルバートンはその問題を解決するため、建物内で様々な植物を育ててみた。彼はほとんどの植物を使うことで空気をきれいになるのに良い手助けになると分かった。
ウルバートンによると、植物が大気中から化学物質を浄化するとき、その化学物質が植物には良いものになるとのことだ。彼は建物内の空気中に見つかる化学物質を浄化するのにどの植物が最高かを説明している様々な本を書いた。彼はまた、化学物質を除去するのに植物をさらにより良くさせるよう気を開発までした。ウルバートンのおかげで多くの建物が今や植物を使うことで空気をきれいに保っている。
植物を使った研究は、きれいな空気が生徒の学習により良い手助けとなるかを知るために、小学校の教室内でも行われた。そこの生徒は室内に植物を置くグループと、もう片方は植物を置かずにいるグループの2つに分けられた。興味深いことに、数カ月後前者のグループの生徒は校舎のグループよりも学習の中でより良い成果を出した。ウルバートンのとほぼ同様に、研究者たちは室内でのよりきれいな空気が人々に良い影響を与えうることを示した。
(27)"Sick building syndrome" is caused by (「シックハウス症候群」は___によって引き起こされる。)
A. dangerous chemicals that come from materials in buildings.(建物内の物質から出る危険な化学物質)
(28)Why did Bill Wolverton create a special building?(なぜビル・ウルバートンは特別な建物を作りましたか。)
A. To find ways to clean the air in spaceships.(宇宙船の空気をきれいにする方法を見つけるため。)
(29)A study done inside elementary school classrooms(小学校の教室で行われた研究は)
A. showed that clean air could help students' performance.(きれいな空気が生徒のパフォーマンスを助け得ることを示した。)
(30)What do we learn from the passage?(文章からどういったことがわかりますか。)
A Plants get food themselves when they clean the air.(植物は空気をきれいにするとき自身で食べ物を得ている。)

4.ライティング(英文要約)
採点基準は、内容・構成・語彙・文法の観点からそれぞれ4点満点とし、合計16点満点となっています。
まず文章は3段落から構成されているため、3文程度でまとめることを意識し、各段落の要旨をまとめていきたいところです。その際、25-35語なので一文の目安は10語前後で書くことを意識しましょう。
既に各段落では20語~30語程度が使われているので、そこにあるキーワードを拾い、文章を再構築するようなイメージで作っていきます。例えば第一段落で、buy clothes on the Internetなどがキーワードになると思うともうすでに5語も使っています。あと5語前後で言いたいことを、なるべくパラフレーズ(本文とは違う形で言い直)しましょう。(※本文と全く同じ文章にした人は良くても内容点は2/4点くらいまでにしかならいようです。)可能ならキーワードのみをピックアップし、違う構成や語彙を使って表現できた方が望ましそうです。
なお、上記の通り英検協会から採点項目は発表されていますが、採点基準については現在の所かなり不明確です。レベルが高い人であっても満点を取るのは至難の業のようなので、あまりこだわりすぎない方がいいかもしれません。

5.ライティング(英作文)
こちらは50語~60語で意見を書くものです。準2級よりも長く文章を書くことを心がけましょう。採点基準は要約と同じく、内容・構成・語彙・文法の観点からそれぞれ4点満点の合計16点満点です。
まず型として、①I think/don't think ~と意見を表明し、②First,~、③Second,~の中核を書き、④So/Thereforeのように結論をまとめるのをテンプレートのように叩き込んでおきましょう。②、③の中身では①と考える理由を2つ書き、④では①と同様な内容を簡潔に、かつ違う言い方でさらりとまとめるといいでしょう。

リスニング
(第1部)
リスニングは一度しか読まれません。第1部では2人の対話を聞いて答える問題です。インストラクションを聞くよりも先に問題の選択肢を読んでおき、リスニングが流れている間におかしなものを早々に削除していき、クエスチョンが流れているときには2択くらいまで絞っておけるようにしていきましょう。少しでも早くその問題を片付け、次の問題の選択肢を読んで準備できるかが高得点へのカギです。

(第2部)
リスニングはやはり一度しか読まれません。第2部では一定の文をまとめて聞き、その後質問に答えます。第1部と同様に、隙間時間を少しでも使って事前に次の問題の選択肢に目を通し、リスニングを聞きながら解答を絞っていきましょう。わからなかった場合は、そこで考え込まずに残った選択肢の若い番号を答えにする!などの自分ルールを決め、その問題に固執するよりも次の問題の正答率を上げる準備をするようにしましょう。

リスニングは総じて、会話のおおまかな内容を理解する力、質問文を正しく聞く力(特に出だしの5W1Hへの意識)、クエスチョンが言われるまでスクリプトの内容を覚えておく力、それらを処理するテクニック(事前に選択肢に目を通し、聞きながらおかしいものを削除していく力、割り切って一部の問題を捨てる度胸)などを練習する必要があります。現在はまだ準2級プラスの問題がほとんどないので、英検準2級の過去問などを使い、リスニングのスクリプトがなくて正確に聞ける力を養っておきましょう。
また英検協会の出している準2級プラスのサンプル問題のリスニングスクリプトを確認したときに、知らない単語はほぼ無いようにしっかり覚えておきましょう。当たり前ですが、リスニングで知らない単語があるのはほとんど解けないも同然なので非常に致命的です。

(最後に)
以上が準2級プラスについて現在の段階で言えることになります。全く新しい試験なのでためらってしまうかもしれませんが、きちんと情報を仕入れることで対策は十分できます。自分に合ったやりかたを的確につかんでいき、周りの受験生と差をつけていってください。

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