寒の入りと同時に冬らしさが一段と増して来ました。冬は月の光が冴え、星が大きく力強く見える季節です。
昨年の秋に話題になった紫金山・アトラス彗星はご覧になられましたか?黄昏時の赤みが残った空に、ひときわ明るい金星(Venus)と長く尾を引く彗星。時には富士山のシルエットがバックグラウンドに。多くの写真がSNSにあげられ、目を楽しませてくれました。彗星は英語ではcometと言います。紫金星・アトラス彗星の英語での一般的な名称は Comet Atlasです。
同じように尾を引く天体と言えば、流れ星(shooting star)がよりおなじみだと思います。彗星と流れ星、違うものなのですが、実は親子のような関係があります。流れ星は宇宙を漂う氷の粒や岩が地球の大気圏(atmosphere)に突入し、空気との摩擦で熱と光を発する現象です。大きなものは燃え尽きずに地上に落ち、隕石(meteorite)になります。では、流れ星のもととなる氷や岩はどこからやってくるのでしょう。それは彗星の置き土産なのです。彗星の多くは楕円形の軌道(orbit)で太陽の周りを回っています。公転周期(orbital period)は数十年から数百年以上と長いものが多く、人が一生のうちに同じ彗星に出会うことはまれです。彗星は岩や氷でできた核(nucleus)を持ち、太陽に近付くにつれ太陽の熱で溶けた氷からガスを発生させます(outgas)。これが太陽風(solar wind)に吹かれて太陽の反対側に尾を引いたような形となります。彗星自体は光を発することはありません。太陽の光を反射して輝く点は、ほかの太陽系(Solar System)に属する惑星(planet)と同様です。
彗星が公転する(revolve)コースは地球の公転コースと交差します。彗星が通ったあとには氷や岩のかけらのようなチリが残されます。そこを地球が通り抜ける時に、チリを引力で大気圏に引き込み、流れ星が生まれます。地球の公転軌道に多くのチリが残されている場所があります。地球がそこを通るとたくさんの流れ星が発生します。毎年同じ時期に流星群(meteor shower)が見られるのはそういう訳なのです。年明けのしぶんぎ座流星群(Quadrantids)、夏のペルセウス座流星群(Perseids)、年末のふたご座流星群(Geminids)などが夜空を彩ります。
都心に比べて夜空の闇が深い武蔵野エリアです。しっかりと寒さ対策をして、時には空を見上げてみてはいかがでしょうか。
参考までに太陽系の星々の英語名をリストにしておきます。
水星:Mercury
金星:Venus
地球:Earth
火星:Mars
木星:Jupiter
土星:Saturn
天王星:Uranus
海王星:Neptune