先日、新しいローマ法王が誕生しました。初の北米出身のレオ14世(Pope Leo XIV)が、コンクラーベと呼ばれる秘密の投票で選ばれたことに興味を持たれた方も多かったのではないでしょうか。

ローマ法王とはどんな存在なのでしょう。イタリア語では “Papa”、英語では “The Pope”または “The Pontiff” と呼ばれるカソリック教徒の頂点に立つ聖職者です。レオ14世の「14世」はXIVとローマ数字で表記され、”the Fourteenth”と読みます。ルパン3世(Lupin III)を”Lupin the Third”と読むのと同じですね。キリスト教には多くの宗派がありますが、多くの日本人に馴染みのある言葉としてカソリック(Catholic)とプロテスタント(Protestant)を思い浮かべられるかと思います。同じキリスト教であるのにいろいろな違いがあるので、簡単にご紹介しましょう。
まずは、教会の作りに違いがあります。マリア様の像があり壮麗なステンドグラスがあったら、それはカソリック教会のことが多いです。2019年の火災のあと再建され2024年に再公開されたパリのノートルダム大聖堂が代表的な建築物です。翻ってプロテスタントの教会では、簡素な十字架に木造の内装といったシンプルな構造のものが多くなります。

聖職者の呼び方も異なります。カソリックではPriestと呼びます。日本語では「神父」です。敬称はMisterではなくFatherです。例えば、Smith神父はFather Smithとなります。プロテスタントの聖職者は日本語では「牧師」、英語ではPastorと呼ばれます。名前の前に”The Reverend”を付けて聖職者であることを表したりします。The Reverend Martin Luther King Jr. と言えば「マーティン・ルーサー・キング牧師」のことです。
教義の違いについては深い話になりますので、ここでは触れないようにしたいと思います。歴史の中では、信仰の違いを理由に人の血が流されたことが数えきれないほどあります。また、きっぱりとカソリックとプロテスタントに分かれているものでもなく、両方の流れを汲んだ宗派もあります。しかし、英語圏を含む欧米ではキリスト教を信ずる人は多数派であり、人々の生活に深く根差したものであることを考えると、キリスト教を知ることは欧米の文化を理解する一助になるかも知れませんね。
